この世でいちばん旨いトンカツが復活した話

丸山吉平、2019年7月29日 復活!!!

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丸山吉平
東京都千代田区神田富山町29 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13237293/

 

丸山吉平という店

とんかつ

丸山さんのトンカツは日本一である。どのトンカツ有名店もかなわない。人生最高のトンカツだ。

店主

蒲田(現在は大門、銀座、浅草橋にも進出)の行列店、「檍(あおき)」で修行し独立された。

寡黙でストイックにトンカツを揚げる店主と対照的に、明るくかわいい工藤夕貴似の店員さんがいたが、カウンターから出てきてビックリ、妊婦だった!後に奥方と判明。お子様は今では6歳になるという。

初訪

2013年7月、開店の地、浅草橋。

ロースカツ定食1,000円だった。感激した。ふわりと柔らかく歯切れの良い肉、ミディアムレアな揚げ加減、サクサクでかき氷のようにとろける衣。

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2013年当時のロース

 

2日後には再訪、カツカレー1,000円にトライ。衝撃だった。カツカレーは自分の中では当時カレーに分類されていて、カレーを味わうリズムが崩れるカツは不要というのが持論だった。ところが丸山さんのカツカレーは違った。当時のメモを引用する。

「とんかつがほどけて溶ける、人生初体験。噛みしめるや衣がほどけてカレーに溶け込む。かき氷が口中で溶ける感じ。さらに継ぎ目なく肉が、まさに溶ける感覚で肉汁を拡散させ、カツとカレーと肉が絡み合い渾然となり、口中旨味満載!カレールーについては「とんかつ屋にしては」の枕詞がついてしまうが、ことカツカレーについては激ウマ、そして上手い!見事に計算されバランスのとれた、極めて完成度の高い逸品。」

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2013年当時のカツカレー

あっという間に有名店に。

その後、あれよあれよという間に行列店へ。秋葉原が近いからか(ちなみに浅草と浅草橋は交通動線は近くない)外国人客も多かった。一方、妊婦の奥様はお母様になりお店は店主のワンオペに。

トンカツと向き合いながらの接客、それ以前の行列さばきに追われ、店内ルールを厳格化。

  • 行列の先頭に線を引く。
  • 席が空いても、呼ばれるまでそこから動いてはいけない。

まあ、普通の話、なのだが…徹底的に愛想がない。奥様が可愛らしく、よく喋っていただけにこのギャップは大きい。無愛想でルールを徹底する、つまり客を注意する。

挙句に券売機に「勝手に席に座る券」が1億円で販売されるようになる。

そしてトンカツを褒め称える口コミの合間に、接客を非難するグルメサイトの口コミやSNSへの書き込み、ブログなどなど。

おいおいオイオイよく考えろ。オマエら何食いにきてんだ。ワンオペなのに愛想振りまいて、カツを上げるタイミングを逃す方がいいのか?!と当時思ったものである。

まあ店主側ももう少し努力して協力を求めればよかったのかもしれない。Facebookでは色々と丁寧に情報発信していた。愛想なしだけどワンオペ厳しいんで協力してもらわんと、って紙にも書けばいいのに…と思っていた。

それでも行列は絶えず、そもそも安すぎた価格設定を徐々に見直し、店のルールを理解した客の行列により、その評判を上げていった。

事故

2018年5月、突然の当面休業宣言。営業再開は見当もつかないという。その後、入院中と思われる店主や、折れた骨のレントゲン写真がFacebookに上げられていく。交通事故のようだった。

今も残る当時の店舗の食べログ評価は3.87

極めつけは、閉店。店舗は師匠の店「檍」が引き継いで「浅草橋店」とするという。もう二度とあのトンカツが食べられないのか?

復活

年明けから、再始動を宣言した店主。7月29日に新たな場所で復活を果たす。Facebookでの告知により復活日は宣言されていたものの、住所などの詳細情報はなかった。7月28日に住所やメニューが明らかにされ、そこには「未だ本調子ではない」「以前の味を取り戻すにはしばらくかかる」「以前の味を知る方にはしばらく日を置いて」とあった。しかしながら、アクセスのよくなった店舗、丸山吉平への禁断症状、再び人気店となる前の偵察の意図もあり早速訪問。

新店舗

最寄りは都営新宿線岩本町、JR神田駅。

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行列なし。「よっしゃ!」とガッツポーズしつつドアを開ける。カウンター内には2人の男性。カウンターに1つ空きあり。食券買って黙って立つ。以前の習性。すかさず、「こちらどうぞ」と着席許可が下りた。

驚きはハイテク機材の導入。吉野家みたい。

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小綺麗な店内、カウンターは前店舗のテイストが見事に再現されていた。カウンターと、テーブルで定員15名くらいか。

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ロース1,300円+ライス200円

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来た来た!以前と変わらぬビジュアル。

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ミディアムレアな揚がり加減。

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岩塩は3種類が2種類に。以前はレッドを好んでかけていたが、今回もそれは変わらず。

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豚汁は本体の価格に込みでセット。

感想

ご本人が本調子でないとおっしゃっているのだから、今回はいつもの点数評価は控える。

確かに、衣の解け具合、揚がりの均一さにもう一歩と感じる部分はある。しかし、あくまでそれは以前と比較してであり、はっきり言ってこの時点で「檍」より上だ。米は以前同様に旨い、良い米良い炊き上がり。

衝撃

食べ終わる頃には自分1人になっていた。そうしたらなんと、丸山さんから話しかけられた!!

「浅草橋の頃から来られてました?」「見覚えあるような気がして…」

マジか!こんな長い文章喋ってんの初めて聞いたよ!てか、以前は白装束にマスク、メガネだったので、そもそも顔知らんかった!今素顔!(カツが揚がっている間、この人が丸山さんかな〜なんてチラ見していた)

そもそも、3年前に秋葉原エリアを遠ざかってからは年数回、自分へのご褒美的に休みの日、或いは頑張ってスケジュール調整できた平日などに行っていた程度。

よくも印象に残しておいてくれた、と感激。もちろん今この再開直後に来るのはコアな丸山ファンだから、浅草橋時代からの客層である確率は高いわけで、タイミングが合えば皆さんに話しかけているのかもしれないが…などと突然学年一の美人と数秒目が合った中学生のような気分になる。

少し話ができて、楽しかった。普通の人だった。余程、以前の店を1人で回すのが大変だったのだろう。

 

ご復帰おめでとうございます。

今後益々の繁盛と絶品トンカツのさらなる進化を切に祈ります。

 

訪問情報

平日17:30並びなし